エッセイ

また出会えた本

押入れから昔の本が出てきた。
正確に言うと、自分から引っ張りだしたのだが。
その本は、私が結構辛かった時によく使っていたレシピ本だった。
なんでか分からんが急に無性にその本を読んでみたくなったのだ。
正直、トラウマを思い出さないか不安だった。だけど、それ以上に読みたい、と言う衝動が抑えきれなかった。
この本は、中学生のとき、フードコーディネータになりたいな、と思っていた自分に親が買くれた本だ。
作ったレシピのページに付箋がたくさん貼ってあって、当時の自分を思い出した。
不思議とその本を開いても、トラウマを思い出すなんて事はなく、むしろなんだか当時の自分が健気で可愛いとも思えた。
それよりも、この本すごくいい。
レシピの内容も美味しそうだし(実際、家族に大好評だったのを記憶している)そしてこのレシピ本を書かれた方が魅力的で。あの時、このフードコーディネータの作者の女性に本気で憧れていたことも頷けた。
ペラペラめくってたら、あの時食べた味とかも思い出した。
悲しかった時によく使っていたから少し切ない気分にもなったけれど、また作ってみたいな、と思えたし、何よりこのレシピ本は生きる元気を与えてくれる、そんな本だ。希望が湧いてきて、あー私もこんな生活したいな、とかそんな事を感じさせてくれる。当時、結構この本は流行ってたけれど、きっとそんな魅力が理由なんだろう。
この本が押入れで一生眠って過ごす事なく、また出会えた事が嬉しかった。
明日、この本に載っているサーモンのアボカドソース乗せを家族に振舞おう。